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コメント要約
本格的に年末年始のホリデー・シーズンに突入しようという中、リスク資産市場では先週も全般的に祝祭ムードが続きました。米国では堅調な経済指標の発表が続き、アトランタ連銀GDPナウで見た今四半期の成長率は3.3%となったほか、コア消費者物価指数(CPI)も概ね同水準で推移しています。
米国経済が3+3(成長とインフレがともに3%の伸び)状態であるとの認識は、力強い企業業績見通しにつながっており、米連邦準備制度理事会(FRB)が依然として利下げサイクルにあることも踏まえれば、歓迎すべき材料は豊富にありそうです。米国株式市場は最高値圏にあり、社債スプレッドも年初来で最もタイトな水準にあります。
しかし、良いパーティーにつきものであるように、果たしてこれがいつまで続けられるのか、また2025年に目を覚ましたときに、ひどい二日酔いに悩まされないか、といった問いが頭をよぎることもまた事実です。
過去数週間において、株式及び債券市場の変動性は大幅に低下しましたが、現状の穏やかな状態はそう長く続かないような気もしています。株価のモメンタムはやや勢いを失いつつあり、次にまた上昇局面があったとしても、そのきっかけが何になるのかは明確ではありません。
一方で、今週予定されている会合でのFRBの利下げは今回のミニ・利下げサイクルでの最後の利下げになるとみています。パウエルFRB議長が今週の水曜日に25bpsの利下げを決定すれば、過去3ヶ月間で合計100bpsの緩和を実施したこととなり、経済がトレンドを上回るペースで成長を続け、減速の兆しもほとんど見られない中で、一旦の据え置き局面に入ることは十分に想定可能でしょう。
また、仮に堅調な経済活動が維持されれば、インフレ・リスクは下方よりも上方に向かいやすいと言えるでしょう。米国のコア・インフレ率の低下基調は夏の間に終わり、その後はむしろじわじわと上昇の兆しが見られています。
その意味で、今週のFRBによる成長及びインフレ見通しの改訂は注目すべき材料となるでしょう。またこれらが、来年早々にトランプ新政権がスタートし、政策アジェンダを実行に移し始める前の出来事であることも踏まえれば、尚更です。
現時点においては、米国金利に対してややネガティブな見方を持っており、30年国債を通じてショート・ポジションを構築しています。ここ最近、長期債利回りは上昇基調で推移しており、30年国債利回りは4.5%をつけるとともに、2年/30年のイールドカーブの勾配は35bps程度にスティープ化しました。今週FRBが利下げを決定すれば、イールドカーブの逆イールド化が解消に向かう中、過去2年超で初めて、長期債利回りの預金金利に対する金利差がプラスになることを意味します。
しかし、30年国債利回りについては今後4.75%まで上昇する可能性があるとみており、イールドカーブのスティープ化は市場コンセンサスとなりつつあることは認識しながらも、投資家にとっては依然長期債を保有するにあたっての十分なターム・プレミアムが提供されていないと考えていることから、イールドカーブのさらなるスティープ化に備えたポジションを維持することが賢明であるとみています。
国債の供給過剰によって特徴付けられる足元の投資環境下において、ターム・プレミアムは上昇せざるを得ないと考えています。さもなくば、財政政策がさらに拡張方向へと向かい兼ねないとみています。
欧州では、引き続きやや静かな市場環境となりました。フランスにおける政治変動の高まりは、バルニエ内閣崩壊とともに現時点では下火となりました。これまでにも述べた通り、次の解散総選挙は来年7月までは実施されないことから、この先数ヶ月間は宙ぶらり状態が続くとみられます。このような状況を受け、市場ではフランス資産のショート・ポジションを幾らかカバーする動きが見られ、フランス国債の対ドイツ国債スプレッドは75bpsまで縮小しました。
フランス国債のショート・ポジションについては、ここ最近の変動性の高まりによってスプレッドが80bps近辺に拡大した時点で利益を実現していましたが、フランスに対しては構造的に弱気な見方を維持していることから、スプレッドが60bpsに近づけば再びショート・ポジション構築の好機になるとみています。
そんな中、EUの防衛費拡大に関しても多くの議論がありますが、現時点では実際の行動はほとんど見られていません。EUが言い逃れをするリスクは、結果として決定が遅きに失する可能性があることを意味しています。また、経済が低迷し、予算にも制約がある中では、優先順位を上げて軍事費を拡大しようという意欲が民衆の間に芽生えづらいことも事実でしょう。
予算上の制約は、英国においても同様に感じられています。借入コストの上昇や低迷する経済は、英国の財政状況の悪化につながっています。リーブス財務相は春の予算案発表を取りやめ、さらなる増税の可能性を排除しようとしていますが、現実としては、赤字削減のために政府がもっと行動する必要があるのかどうかを決めるのは金融市場であり、労働党政権ではないと言えるでしょう。英国のインフレ率は引き続きイングランド銀行(英中央銀行、BoE)の目標を上回っており、当面は追加利下げが難しい状態になるとみています。
また、ある程度のインフレは、期待インフレや消費者の行動において既に固定化されていると考えています。この点に関して、例えば朝食代が日増しに値上がりしているように感じられると同時に、昨今のキャッシュレス社会において、実際にはどの程度鮮明に価格変化が実感されているのかもわからないような気がしています。具体的な例を挙げれば、一昔前に20英ポンド札で3杯のビールも買えないことにある程度ショックを受けた記憶がありますが、今では特段考えることもなくスマホをタップしており、気がついたときにはポケットの中の英ポンドの価値がどんどん下がってしまっているような感覚に陥ります。
米国や英国、欧州の金融政策決定会合のみならず、今週の日本での日銀の会合の行方にかなり注目しています。日本の経済モメンタムは力強さを維持しており、先週の生産者物価指数(PPI)や短観においても確認されました。
日銀が0.50%への利上げを遅らせることで得られるものはほとんどないと考えており、分析に基づけば既に日銀は政策で後手に回って(ビハインド・ザ・カーブとなって)おり、インフレの上振れ圧力が強まるリスクを高めてしまっています。来年の春闘では5%の賃上げが予想される中、負債比率が高い日本のような国において、インフレがオーバーシュートし過ぎた場合にこれを修正することは極めて困難であることから、政策当局は判断を誤るべきではないと考えています。
これまで長きに亘って述べている通り、日本経済の地下深くにあるプレートは大きく変動しており、インフレがより日常となれば、長い間巨額のキャッシュを寝かせてきた日本の消費者が、そのキャッシュを株式などの資産に振り向けるのではないかとも考えています。それにより、実質的なリターンが得られ、インフレによる資産価値の目減りを避けられる可能性があるからです。
通貨では、引き続き米ドルを選好しています。より全般的に言えば、マクロ及び政治的なばらつきが見られ始めた足元の環境下において、通貨における投資機会はこれまでよりも豊富にあるように思えます。一方では、ユーロやスイス・フラン、中国人民元、英ポンドについて下落の余地があるとみています。
他方、日本円や豪ドル、米ドルに関してはより前向きな見方を持っています。為替のボラティリティは今のところ比較的低位に留まっていますが、トランプ氏が大統領に就任すれば上昇する余地があるとみています。その点に関して言えば、トランプ氏自身は米ドル安を好んでいながらも、同氏の政策は米ドル上昇につながりやすいとみられることは興味深いでしょう。
そのような見方によって、一部では同氏が、1985年にそれまでの米ドル高を是正する目的であった「プラザ合意」を真似て、「マーアラゴ合意」を制定することになるのではとの議論もあるくらいです。これは将来のどこかの時点での議論ということなのでしょうが、少なくともそれまでに米ドルが足元の水準からさらに10-20%上昇して初めて現実味を帯びるとみています。
今週は、金融市場で活発に取引が行われる今年最後の週になるとみられます。過去数週間で市場ボラティリティは低下しているものの、重要な中央銀行の会合が予定されている中、スイッチを消すにはまだ少し早すぎると考えています。FRB及び欧州中央銀行(ECB)の決定に対する市場の織り込みは概ね適切であるとみています。
しかし、英国で織り込まれている利下げ見通しは引き続き過度であるとみているほか、日本では、市場に織り込まれた予想利上げ回数は少なすぎると考えています。過去数日間では、中国のさらなる金融刺激策への期待感が高まりましたが、中国政府が輸出によって事態を乗り切ることは困難で、国内の消費を押し上げることに本腰を入れない限り、引き続き中国経済に対しては構造的に弱気な見方を持っています。
そんな中、過去を振り返ると12月は為替相場でトレンド的な動きが見られる傾向にありました。市場コンセンサスは米ドルの強気に傾いているようですが、ポジション量としては依然として控えめになっているように見受けられます。多くの投資家が、過去数年間、通貨ポジションで苦戦したこともあり、過度な通貨リスクを取ることに消極的になっているようですが、通貨への投資において、この先数週間で何らかのプレゼントがあることを期待しています。
2024年はリスク資産保有者にとって概ね素晴らしい1年になったと思われますが、このパーティーからは退散し、どこか違うところでポジションを構築するタイミングが訪れるように感じています。
さて、ここ最近は私自身仕事に追われ、いまだクリスマス・モードになれていないのが現実ですが、少なくとも今年のお気に入りのクリスマス・セーターは見つけました。(応援するサッカーチームである)チェルシーが復調してきたことは朗報で、その立役者は間違いなく、(「コールド(寒がる)」様子のゴール・パフォーマンスが有名な)コール(ド)・パルマ-選手で、その写真を使ったセーターは寒い時期にピッタリです。
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