アクティブ 運用の優位性

Sep 05, 2024

グローバル株式市場は規模が大きく複雑です。だからこそ、そこから様々な方法でリターンを抽出することができるのです。グローバル株式チームのシニア・ポートフォリオ・マネジャーであるジェレミー・リチャードソンが、パッシブ運用とアクティブ運用の違いや選挙が株式市場に与える影響、アクティブ・エンゲージメントについて解説します。

グローバル株式市場は複雑です。その全体を所有することでその複雑さを回避しようとする人がいます。それが「パッシブ」運用です。一方で、選択すること、すなわち「アクティブ」運用によって投資機会を活用しようとする人もいます。

アクティブ運用とパッシブ運用のどちらにも、それぞれの役割があります。すべての銘柄の時価加重ポートフォリオに投資するという、真にパッシブな手法は、市場と同様のパフォーマンスを保証するはずですが、報酬が控除されると、小幅なアンダーパフォーマンスとなるはずです。すべての銘柄に投資する結果として、最良のパフォーマンスをあげる銘柄を保有することになりますが、その一方で、(ポートフォリオが本当にパッシブで、除外している銘柄がないならば)割高であったり、疑わしいビジネスモデルを持ったりする銘柄、最悪のパフォーマンスとなる銘柄も保有することになります。

アクティブ投資家は、割高な銘柄や悪いビジネスを持つ銘柄を避けることで、時間の経過とともにパッシブよりもアクティブ運用のほうが良い結果をもたらすはずだと考え、これをチャンスと捉えています。そのためには、コストを伴うリサーチが必要となりますが、個別企業とのアクティブ・エンゲージメントを通じて追加的な収益を得ることができます。

アクティブ運用はパッシブ運用よりもバリュエーションに敏感です。パッシブ運用では、株価が上昇し、バリュエーションが高くなるほどその銘柄の保有ウェイトは高くなります。ゆえにパッシブ運用はスタイルをバリューからモメンタムに傾けているという見方もあります。これは、上昇相場では問題にならないかもしれませんが、相場が下落すれば不利に働く可能性があります。アクティブ運用は、ポートフォリオ管理を通じてこうした弱点を緩和することができます。ただ、投資の意思決定は必ずしもうまくいくとは限らず、投資リターンに潜在的なボラティリティを加えることにもなります。

アクティブ運用では、ESGに関する議論を行なう機会も得られます。株主には議決権があり、企業と建設的に関わる方法とインセンティブがあります。責任あるビジネス原則を推進することで、株主は企業の長期的な成功をより確かなものにすることができるかもしれません。そして、それは実際に株主の利益にもなります。優れた経営で成功している企業の所有者になりたくない株主がいるでしょうか?また、企業は、地域社会に暮らす人々や家庭を持つ人々を雇用しているため、この改善による恩恵は幅広いステークホルダーで共有されることになります。

これが、アクティブ運用が特に有利となるポイントです。エンゲージメントは単純ではなく、うまくやるための資源が必要です。エンゲージメントは、経営陣や取締役会とESGについて話し合うための有益なツールですが、パッシブ運用の低報酬ビジネスモデルは、エンゲージメントを行なわないインセンティブを生み出します。全ての株式には所有者が存在しますが、それに対してエンゲージメントを伴わずに保有するか否かだけを判断する手法は、単に銘柄の選択を行うだけで、現実の世界には何の変化ももたらしません。アクティブ・エンゲージメントが変化を促進し、それがアクティブ運用の優位性ともなるのです。

最後に、2024年は「選挙の年」です。その結果については様々な憶測がありますが、投資家にとって選挙は必ずしも悪いニュースではありません。現職は、国内経済が好調で失業率が低い状態で選挙を実施したがりますが、一方で、挑戦者は、有権者がプラスの変化をもたらすと信じる政策を掲げて支持を得ようとします。有権者のためになること、例えば、安定した収入、安定した物価、安定した経済は、企業にとっても良いことです。さらに、選挙は、政策論議の集大成であり、次の選挙までの数年の間で政策が最も明確となる瞬間となります。

投資家にとっての経済的な変化は、選挙よりも他のマクロ経済的な出来事によって特徴づけられる傾向があります。ドットコム・バブルの崩壊、世界的な金融危機、そしてパンデミックは、不確実性と金融ストレスを引き起こし、ポートフォリオの価値に大きな影響をもたらしました。対照的に、一般的な選挙のパターンは、通常そのようなボラティリティを生じさせません。

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