債券アクティブ運用を選ぶ5つの理由

Sep 25, 2024

投資家が債券市場でアクティブな投資手法を採用すべき、説得力のある構造的理由が多くあると考えています。

以下では、債券市場がいかに株式市場よりも複雑で価格のアノマリーが大きく、リターンを獲得する上で熟練したアクティブ・マネジャーに優位性があるのか、というテーマにつき、5つの点を通じて掘り下げます。

債券ベンチマークは複製することが困難

時間が経過しても大きく変化することのない数100の証券からなる株式インデックスとは異なり、Bloomberg Barclays Global Aggregate Indexのような債券ベンチマークは30,000近くの証券から構成されています。規模が大きく、ほぼ常に新規発行が行われる債券市場において、ベンチマークの複製は株式よりもはるかに困難です。

不透明性の機会

グローバルな債券市場には、情報の非効率性も存在します。債券は公式な取引所で日常的に取引されている訳ではないので、価格設定も不透明なものとなります。また、多くの証券が、評価が困難なコーラビリティ、劣後、コベナンツ・プロテクションなどの複雑な特徴を含んでいます。このような市場構造は、アクティブ運用によって潜在的に捕捉可能な価格のアノマリーをもたらすかもしれません。

具体的には、債券は、期間構造や、クレジット、ボラティリティ、流動性に付与された目に見えるプレミアムが特定できることから、非効率的な資産クラスであることが、研究によって示されています。投資家はこれらのプレミアムを獲得することで、理論的に報酬を得ることが可能になると考えます。

ベンチマークの変化を予測することより優位性を獲得する

債券ベンチマークは、債券の組み入れに関して厳格なルールが設けられており、しばしば第三者の信用格付機関からの評価に依存することもあります。しかし、ベンチマークへの追加や除外に関するルールは、これらの格付機関の動きを予測することによって悪用されやすいと言えます。正式な格付変更に先駆けて、格付機関の意図を市場に示す場合があるためです。

結果として、このようなベンチマークをパッシブ運用でトラッキングする資金が多ければ多いほど、インデックスのリバランス時に発生する歪みが大きくなり、アクティブな投資家にとっては市場の非効率性が生まれると考えられます。

信用リスク・イベントに対するエクスポージャーの削減

時間の経過とともに価格が上昇した株式が恩恵を得るよう構築されている株式のベンチマークとは対照的に、債券ベンチマークは、発行額が大きな事業体によって構成されます。これは、サクセス・ストーリーというよりもむしろ、最も負債を抱えている機関を本質的に選好しやすいことを意味し、リスク管理がより重要な鍵を握ることになります。

どの債券に投資をしたとしても、投資家は魅力的な利回りを求めるとともに、満期時に額面での返済を受けることを望むものです。その際に投資家が負う主なリスクは、発行体がこの返済を履行できない、または履行出来そうにないということであり、これは、投資家が、デフォルトが発生した場合の(左側の)テール・リスクにさらされていることを意味します。その意味で、信用指標が悪化の道をたどっており、「信用事由」を起こす可能性が最も高い発行体を避けるために、アクティブ運用者は信用分析に取り組む十分な意義があると言えるかもしれません。

グローバルの債券ユニバースの幅広さが、魅力的な見通しを提供

投資の基本法則として、投資機会が広ければ広いほど、運用者のスキルが優れているときには超過収益が高くなりやすいと言えます。これは、互いに相関の低いグローバルな債券市場において、特に当てはまると考えています。グローバル投資適格債ユニバースにおいてより規模の小さい、例えばメキシコやハンガリーのような市場では、互いにボラティリティの出方が大きく異なる傾向があり、米国や欧州のコア市場との相関が低くなります。

債券市場には、アクティブな投資手法を裏付ける構造的かつ戦術的な理由が存在します。現在、債券市場全体で利回り水準は上昇しており、特にアクティブな投資手法を採用しようとする投資家にとって、リターンの見通しは良好であると考えています。

本資料はブルーベイ・アセット・マネジメント・インターナショナル・リミテッド(以下、当社)が情報の提供のみを目的として作成したものであり、特定の投資商品の取引や資産運用サービスの提供の勧誘又は推奨を目的とするものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。本資料は信頼できると判断した情報に基づき作成しておりますが、当社がその正確性、完全性、妥当性等を保証するものではなく、その誤謬についての責任を負うものではありません。本資料に記載された内容は本資料作成時点のものであり、今後予告なく変更される可能性があります。また、過去の実績は将来の運用成果等を示唆・保証するものではありません。なお、当社の書面による事前の許可なく、本資料の全部又は一部を複製、転用、配布することはご遠慮ください。当社との金融商品取引契約の締結にあたっては、下記の投資リスク及びご負担いただく手数料等について契約締結前交付書面等を十分にお読みいただきご確認の上、お客様ご自身でご判断ください。

 

投資リスク
当社との投資一任契約に基づく運用においては、原則、外国籍投資信託を通じて、主に海外の公社債、株式、通貨等の値動きのある資産に投資しますので、基準価額が変動します。従って、契約資産は保証されるものではなく、投資元本を割り込むことがあります。運用による損益は全てお客様に帰属します。主なリスクとして、価格変動リスク、為替変動リスク、金利変動リスク、信用リスク、流動性リスク、カントリーリスク等があります。また、デリバティブ取引等が用いられる場合、デリバティブ取引等の額が委託保証金等の額を上回る元本超過損が生じることがあります。なお、投資リスクは上記に限定されるものではありません。

 

手数料等 
当社の提供する投資一任業に関してご負担いただく主な手数料や費用等は以下の通りです。手数料・費用等は契約内容や運用状況等により変動しますので、下記料率を上回る、又は下回る場合があります。最終的な料率や計算方法等は、お客様との個別協議により別途定めることになります。

 

Fee table

 

なお、上記には、投資一任契約に係る投資顧問報酬、外国籍投資信託に対する運用報酬が含まれます。この他、管理報酬その他信託事務に関する費用等が投資先外国籍投資信託において発生しますが、契約内容や運用状況等により変動しますので、その料率ならびに上限を表示することができません。