アクティブ運用:ハイ・イールド債における優位性

Aug 13, 2024

アクティブ運用のアプローチからハイ・イールド債がなぜ恩恵を得るのか、またボトムアップの銘柄選択とトップダウンのクレジット配分に焦点を当てた戦略が、なぜアウトパフォームするのに良い位置にあるのかを議論します。

債券市場、特にハイ・イールド市場では、専門のアセット・マネジャーはパッシブ戦略と比べて運用報酬等控除後のネット値でみて超過リターンを生み出すことが出来る重要な優位性を持っていると考えています。ハイ・イールド債市場は、株式市場よりも複雑で価格のアノマリーが大きい市場です。その結果、他の公募市場と比較してハイ・イールド債においては、パッシブ戦略は非効率的となります。

通常、株式インデックスは数百の銘柄から構成されており、時間の経過とともに大きくは変動しません。これとは対照的に、債券インデックスは、何千もの発行体によって発行された相対取引(OTC)の債券で構成されます。同様に、ハイ・イールド債には、コーラビリティ、劣後性、コベナンツプロテクションといった複雑な特性を持つこと頻繁にあります。これらの特徴は、それらを正確にバリュエーションに組み込むために注意深い分析を必要とすることがあります。

このようなハイ・イールド債市場の構造や商品の複雑さ、取引条件、発行回転率の高さは、他の資産クラスよりも取引執行を難しくします。さらに、ハイ・イールド債インデックスの構成とリバランスの方法は、パッシブ戦略のトラッキング・エラーはより高くなり、通常はアンダーパフォームすることを意味します。

ハイ・イールド債では、アクティブ・マネジャーは、より広範な投資機会、積極的なポジショニングと銘柄選択によるアルファの創出、そして新規発行市場へのアクセスという取引における確立された関係性から恩恵を受けることも出来ます。

経験豊富なアクティブ・マネジャーとして、以下のような差別化要素が超過リターンを生み出すことを可能にしていると考えています。

  • ファンダメンタルズ分析(銘柄選択):アクティブ運用を行うハイ・イールド債の専門家として、独自のファンダメンタルズ・リサーチをハイ・イールド債のユニバース全体に対して行い、市場の非効率性を特定し、それを利用して、ミス・プライシングまたはミス・レイティングと考える銘柄を見つけます。効果的な分析により、信用指標が悪化している発行体を回避し、パフォーマンスに重大な影響を及ぼす信用事由が発生する可能性が最も高い発行体(信用格付の格上げや格下げなど)を特定することができると考えています。また、分析をさらに充実させるために、リサーチ・プロセスにさまざまな環境、社会、コーポレートガバナンス(ESG)の要素を取り入れています。
  • より広範な投資機会:アクティブ・マネジャーとして、定義されたベンチマークの範囲に含まれるか否かにかかわらず、ハイ・イールド債のユニバース全体に投資することができます。これにより、限られたリサーチ・カバレッジや広範な市場参加者が不在であることによって生じる非効率性が多い市場の分野において、公募・私募によらず、あらゆる規模の発行体が提供する投資機会を横断的に活用することが可能になります。また、変動利付債(FRN)や偶発的転換社債のような魅力的な特性を持つオフ・ベンチマーク銘柄についても機動的に活用できます。流動性の高いクレジット・デリバティブ商品を用いて、エクスポージャーを迅速に追加またはヘッジすることができます。また、新発債はベンチマークに追加される時ではなく、発行時に投資をすることができます。発行市場を通じて債券を購入することはコスト面から見ても効率的であり、新発債のプレミアムは潜在的なアルファの源泉となります。
  • 経験豊富なチーム&企業とのエンゲージメント:アクティブ・マネジャーは、発行体とのエンゲージメントに、より多くのインセンティブを持ちます。運用チームの平均業界経験年数は17年となっており、アクティブな投資家としての企業行動の変化に対してより強い影響力を持っていると考えています。ESG関連事項へのエンゲージメントについては、アクティブ・マネジャーは、発行体がより良い結果をステークホルダーにもたらすために発行体を促すことが出来ます。当社のESG統合のアプローチは、ベンチマーク・プロバイダーよりもはるかにフォワード・ルッキングな方法で見通しを反映することができ、優れたESG成果が得られる可能性を高めることが出来ると考えています。

最近の運用環境の枠組みの変化によって、投資家は運用報酬控除後のネット・リターンを損なうことなく、どの資産配分をパッシブ戦略に振り向けるべきかを判断することが難しくなっていくでしょう。

不確実性が高い世界においては、投資プロセス、経験、能力、スキルを通じて、ボラティリティや不確実性を上手く乗り切ることが出来た実績を持つアクティブ・マネジャーが、持続可能なアルファをもたらし続ける力を持っていると考えています。

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